いちばんやさしいグロースハックの教本

いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

この本から学んだこと

グロースハックとは何か。データで判断してサービスを改善するとはどういうことか

書籍情報

  • タイトル: いちばんやさしいグロースハックの教本 −人気講師が教える急成長マーケティング戦略−
  • 著者: 金山 裕樹、梶谷 健人
  • 発効日: 2016年1月21日
  • 発行所: 株式会社インプレス

この本の構成、全体像

女性向けファッションサービスiQONを運営する VASILYのCEO金山さんとグロースハッカーの梶谷さんによるグロースハックについての本格的な実践書。グロースハックとは何かというところから、現場で実践している「ARRRA」フレームワークを軸にサービスをいかに成長させるかが書かれています。章構成は以下の通り。

  • Chapter1 グロースハックを理解しよう
  • Chapter2 基本のフレームワークを理解しよう
  • Chapter3 まずは価値提供から手を付けよう
  • Chapter4 グロースサイクルで施策を実行しよう
  • Chapter5 継続率を着実に高めよう
  • Chapter6 紹介をハックして成長を加速させよう
  • Chapter7 レベニューを理解して収益化しよう
  • Chapter8 ユーザー獲得作でさらに成長させよう

この本を読もうと思ったきっかけ、読んだ目的

ずっと気になっていたのですが、先日Kindle Unlimitedで発見してすぐにリストに確保しました。グロースハックや「AARRR」モデルについては一応知ってはいるもののその本質的なところは掴めていないという感覚があったので、しっかり理解したいと思い読み始めました。

印象に残っている内容

グロースハックとは

グロースハックという単語はよく聞くようになったものの、その実態はよく分かっていませんでした。マーケティングとの違いもいまいち分からず、とにかく開発に近いところも含めてサービスを成長させるためになんでもやること・人なんだという曖昧な認識でした。この本ではグロースハックを以下のように定義しています。

製品の中に自発的に成長する仕組みを組み込んで、その結果をデータで判断し改善していくこと

この定義は僕にとって、とても納得のいくものでした。

その理由は、まずは「データで判断し改善していく」という点です。納得のいかない、あるいは理解できない施策の開発をするのは辛いことです。時にはなぜその施策を実施する必要があるのかチームで意見が合わない事もあります。しかし、データで示されれば納得感を持って開発を進めることができるでしょう。開発のパフォーマンスも上がるはずです。

そして、「自発的に成長する仕組みを組み込む」という点です。何か施策を実施すれば成長するのはある意味当然です。しかし、昨今の周囲の環境や技術の進歩のスピードの中で、成長させながらきちんと運用していくということは難しいことです。このため、自発的に成長する仕組みを組み込み、それを改善していくというのはとても良い方法だと思いました。

ARRRAモデル

ARRRA(アーラ)モデルは有名なAARRR(アー)モデルを発展させたモデルとして紹介されています。
AARRRモデルはそれぞれ、Acquisition(ユーザー獲得)、Activation(ユーザー活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益化)の頭文字になっています。対してARRRAモデルは、Activation(ユーザー活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益化)、Acquisition(ユーザー獲得)となっています。

違いはその順番です。AARRRモデルの並びは実際に成長するための施策を実施していく順番になっています。またActivationはユーザー活性化にとどまらず「ユーザー体験の最大化」に拡張しているということです。このARRRAモデルがとても素晴らしいと感じました。なぜなら成長するためには、サービスの規模に応じてこのARRRAのサイクルを何度もまわしていく必要があるからです。なんとなく覚えづらかったAARRRモデルがサービスを絶え間なく成長させていくモデルに発展していると感じました。

その他

テレビCMを実施する時に、期間や地域をうまく調整し、ユーザーの地域毎の登録数からA/Bテストを行い、費用対効果を上げたという事例が紹介されており、「データで判断し改善していく」とはこういうことかというのを見た気がしました。

まとめ

全体を通して印象的だったのは、成長するためには本質的には何が必要かを考え、必要であれば既存のやり方やモデルを拡張して利用していることです。そしてデータを見ながら改善していくということが豊富な事例とともに説明されていて、とても濃い一冊でした。

満足度: ★★★★★

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