相手を思ってやってみる『「気遣い」のキホン』

仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン

 

仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン

 

 

こちらもKindle Unlimitedで見つけた本。

一時期ラインナップが問題になりましたが、月額980円で読み放題なら十分すぎますね。

 

本題ですが、僕は「気遣い」というのがとても苦手です。

いつでも考えすぎてしまう。その結果何もできない。

そういう事が良くあり、しばしば悩んでしまいます。

 

この本は、そういった悩みを解消するためのヒントになるかなと軽い気持ちで読み始めました。しかし、ヒントどころか答えが書いてあって一気に読みきってしまいました。

 

著者の三上氏いわく、気遣いができないのは自信がないから、そして自信がないのは、実は自分のことばかり考えているから。

それは例えば、

「これをして相手が不快に思ったらどうしよう」

「気に障ったら嫌だな」

などと考えるのは結局のところ、自分が相手にどう思われるかしか考えていないということです。

 

だから、大事なのは自分が相手にどう思われるかではなく、相手がどうしたいかを考えて行動すること。

そうすればあまり相手からどう思われるかは気にならないし、仮に心配が的中してしまっても、相手がどうしたいかを考えて行動した結果なので納得のしようがある。

この考えは実践できるかどうかは、それこそ自信がないですが、ぜひとも実践しようと思わせてくれるものでした。

 

この本に書いた一番大切なこと。それは「相手のためになると思うこと」を「自信がなくてもやってみる」ことです。

 

肝に銘じたいと思います。

 

全体を通しては、著者の体験談を通して、色々なシーンでこの考え方を実践するヒントとなっているだけでなく、CAさんはじめ接客業の方々の気遣いの素晴らしさも垣間見れるような内容となっています。

 

まったく話が変わりますが、最近学んでいるマインドフルネスを鍛えるためのトレーニングのひとつに、すれ違った人の幸せを願うといったものがあります。このトレーニングを重ねていけば、相手のためになることが少しでも見えてくるようになるでしょうか。

 

仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン

仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン

 

 

シンプルイズベスト「わかりやすい文章を書く全技術100」

「わかりやすい」文章を書く全技術100

「わかりやすい」文章を書く全技術100

ブログを書き始めてみたものの、どうにも上手く文章が書けない。

そんな時Kindle Unlimitedで見つけたのでざっと読んでみました。

帯に

これ一冊で、文章技術を完全網羅!

とある通り、書かれている技術自体は多いです。

ふむふむとは思いつつ、ひとつひとつは何度も読まないと覚えられないと思います。

ただ、ひとつひとつの技術が独立した項になっており、かつ以下のようなシンプルな構造になっているため、理解がしやすかったです。

  • 技術について
  • 悪い例
  • 修正した例

定期的に目を通すようにすると、気づきが得られそうな良書だと思います。

「わかりやすい」文章を書く全技術100

「わかりやすい」文章を書く全技術100

いちばんやさしいグロースハックの教本

いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)

この本から学んだこと

グロースハックとは何か。データで判断してサービスを改善するとはどういうことか

書籍情報

  • タイトル: いちばんやさしいグロースハックの教本 −人気講師が教える急成長マーケティング戦略−
  • 著者: 金山 裕樹、梶谷 健人
  • 発効日: 2016年1月21日
  • 発行所: 株式会社インプレス

この本の構成、全体像

女性向けファッションサービスiQONを運営する VASILYのCEO金山さんとグロースハッカーの梶谷さんによるグロースハックについての本格的な実践書。グロースハックとは何かというところから、現場で実践している「ARRRA」フレームワークを軸にサービスをいかに成長させるかが書かれています。章構成は以下の通り。

  • Chapter1 グロースハックを理解しよう
  • Chapter2 基本のフレームワークを理解しよう
  • Chapter3 まずは価値提供から手を付けよう
  • Chapter4 グロースサイクルで施策を実行しよう
  • Chapter5 継続率を着実に高めよう
  • Chapter6 紹介をハックして成長を加速させよう
  • Chapter7 レベニューを理解して収益化しよう
  • Chapter8 ユーザー獲得作でさらに成長させよう

この本を読もうと思ったきっかけ、読んだ目的

ずっと気になっていたのですが、先日Kindle Unlimitedで発見してすぐにリストに確保しました。グロースハックや「AARRR」モデルについては一応知ってはいるもののその本質的なところは掴めていないという感覚があったので、しっかり理解したいと思い読み始めました。

印象に残っている内容

グロースハックとは

グロースハックという単語はよく聞くようになったものの、その実態はよく分かっていませんでした。マーケティングとの違いもいまいち分からず、とにかく開発に近いところも含めてサービスを成長させるためになんでもやること・人なんだという曖昧な認識でした。この本ではグロースハックを以下のように定義しています。

製品の中に自発的に成長する仕組みを組み込んで、その結果をデータで判断し改善していくこと

この定義は僕にとって、とても納得のいくものでした。

その理由は、まずは「データで判断し改善していく」という点です。納得のいかない、あるいは理解できない施策の開発をするのは辛いことです。時にはなぜその施策を実施する必要があるのかチームで意見が合わない事もあります。しかし、データで示されれば納得感を持って開発を進めることができるでしょう。開発のパフォーマンスも上がるはずです。

そして、「自発的に成長する仕組みを組み込む」という点です。何か施策を実施すれば成長するのはある意味当然です。しかし、昨今の周囲の環境や技術の進歩のスピードの中で、成長させながらきちんと運用していくということは難しいことです。このため、自発的に成長する仕組みを組み込み、それを改善していくというのはとても良い方法だと思いました。

ARRRAモデル

ARRRA(アーラ)モデルは有名なAARRR(アー)モデルを発展させたモデルとして紹介されています。
AARRRモデルはそれぞれ、Acquisition(ユーザー獲得)、Activation(ユーザー活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益化)の頭文字になっています。対してARRRAモデルは、Activation(ユーザー活性化)、Retention(継続)、Referral(紹介)、Revenue(収益化)、Acquisition(ユーザー獲得)となっています。

違いはその順番です。AARRRモデルの並びは実際に成長するための施策を実施していく順番になっています。またActivationはユーザー活性化にとどまらず「ユーザー体験の最大化」に拡張しているということです。このARRRAモデルがとても素晴らしいと感じました。なぜなら成長するためには、サービスの規模に応じてこのARRRAのサイクルを何度もまわしていく必要があるからです。なんとなく覚えづらかったAARRRモデルがサービスを絶え間なく成長させていくモデルに発展していると感じました。

その他

テレビCMを実施する時に、期間や地域をうまく調整し、ユーザーの地域毎の登録数からA/Bテストを行い、費用対効果を上げたという事例が紹介されており、「データで判断し改善していく」とはこういうことかというのを見た気がしました。

まとめ

全体を通して印象的だったのは、成長するためには本質的には何が必要かを考え、必要であれば既存のやり方やモデルを拡張して利用していることです。そしてデータを見ながら改善していくということが豊富な事例とともに説明されていて、とても濃い一冊でした。

満足度: ★★★★★

「学力」の経済学

「学力」の経済学

「学力」の経済学

この本から学んだこと

教育政策を科学的根拠をもとに議論し決定していくことの重要性と、日本の危機的な現状について

書籍情報

この本の構成、全体像

「教育経済学」を専門とする著者の中室さんが、よく聞かれる質問について科学的根拠を示しながらわかりやすく回答、解説していく構成になっています。また同時に科学的根拠を元に政策を決めていくことの重要性、日本の現状の課題についても述べられています。全体の構成は以下のようになっています。

  • 第1章 他人の”成功体験”はわが子にも活かせるのか? −データは個人の経験に勝る−
  • 第2章 子どもを”ご褒美”で釣ってはいけないのか? −科学的根拠<エビデンス>に基づく子育て−
  • 第3章 ”勉強”は本当にそんなに大切なのか? −人生の成功に重要な非認知能力−
  • 第4章 ”少人数学級”には効果があるのか? −科学的根拠<エビデンス>なき日本の教育政策−
  • 第5章 ”いい先生”とはどんな先生なのか? −日本の教育にかけている教員の「質」という概念−
  • 補論: なぜ、教育に実験が必要なのか

この本を読もうと思ったきっかけ、読んだ目的

帯にも書かれていますが、たまたま観ていた「林先生が驚く初耳学!」という番組で紹介されていたのがきっかけです。2人の子供の親である身としてはもちろん興味のあるテーマですが、林先生が大絶賛していたので興味を惹かれました。

特に日本人全員が読むべきといった主旨のことも言っていた気がしてその点が気になっていました。

印象に残っている内容

それぞれの章の疑問に対する回答がまず面白くためになる内容になっています。例えば第2章のご褒美で釣ってはいけないかという疑問について、最終的には「インプットに対して近い将来に報酬を与える」ような設計をするのが良いと具体的に示してくれています。また、全体を通して「因果関係と相関関係の違い」、「収益率」など基本的な知識やなぜそう考えれば良いかということについても丁寧に分かりやすく説明されており全く知識がない人でも読みやすいのではないかと思います。

そしてこの本で何より主張したかったであろう、科学的根拠をもとに教育政策を決めることの重要性、そして日本では海外で既に効率が悪いと示されている政策を根拠なく実施しようとしている現状の課題、さらには実験を実施できない、統計データにアクセスすらできないという危機的状況について述べられていた点が非常に印象に残っています。

まとめ

それぞれの疑問への回答を通して、こうやって効果のある方法を試行錯誤していけば少しずつでも良くすることができると感じた後、現状の危機的状況を知り衝撃を受けました。この問題の大きな障害になっているのは過剰な平等、プライバシーへの配慮であろう点を考えると、まずは現状について多くの人が正しい認識を持つことが必要だと感じました。そう考えるとまさにすべての人が読むべき本だと思います。

もちろん単純に教育方針を考える際にも参考になる良書だと思いますよ。

満足度: ★★★★★

「学力」の経済学

「学力」の経済学

僕らが毎日やっている最強の読み方 −新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意−

僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

この本から学んだこと

  • 知識を積み上げていくためには確かな基礎をつくる事が最も重要だということ
  • 新聞で情報をキャッチアップし雑誌で興味を広げ、書籍で基礎知識を身につけるというそれぞれの使い方

本の紹介

書籍情報

  • タイトル: 僕らが毎日やっている最強の読み方 −新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意−
  • 著者: 池上 彰/佐藤 優
  • 発行: 2016年12月29日
  • 発行所: 東洋経済新報社

概要

帯に「2人の最新全スキルが1冊でわかる」とあるように、佐藤さんと池上さんが対談形式で新聞や書籍などを通してどうやって情報を取得し知識を身につけているかを紹介しているHowTo本です。70の極意ということで巻末にもポイントが70+αでまとめられています。

構成、全体像

本の構成は以下のようになっています。

  • 序章 僕らが毎日やっている「読み方を公開」
  • 第1章 僕らの新聞の読み方
  • 第2章 僕らの雑誌の読み方
  • 第3章 僕らのネットの使い方
  • 第4章 僕らの書籍の読み方
  • 第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方

それぞれのメディアの具体的な読み方を通して、それぞれのメディアの特徴と活かし方、根底にある2人の考え方が知れるような構成になっています。

この本を読もうと思ったきっかけ、読んだ目的

きっかけはあまり覚えてないですが、おそらく池上さんが出演していたテレビで紹介されていたんじゃないかと思います(年末年始によく見かけたし)。

最近の悩みとして幅広く情報収集をしたい、知識をつけたいと思って本を買ったり新聞を購読したりするものの、いまいち効率が良くない、なんとなく成果が上がっていないという思いがありました。
そんな悩みもあってちょうどどんぴしゃなテーマだったのがこの本でした。

印象に残っている内容

全体を通して非常に多くのことを得られましたが、特に印象に残っている内容を挙げてみます。

新聞は最低2紙に目を通さないと、ニュースの一部しか見えてこない

これはまったく知らなかったのですが、昔は各社記事の内容に大きな違いはなかったのが、特にここ数年はニュースによっては取り上げ方や記事になるかならないかというレベルで各社大きく内容が変わることもあるそうです。このため、1紙だけを読んでいた場合にニュースそのものを知らないということが起きたり、知らず知らずのうちに読んでいる新聞によって知識や理解にバイアスがかかってしまうといったことが起きうるということが指摘されていました。なかなか恐ろしいことですね。また、新聞に関しては各社の特徴や読者層についても書かれていて非常に面白かったです。

「勝手に分析されて情報が偏っていく」というネット独自の危険性

最近のニュースサイトやアプリなどではユーザーの読んだ記事や見たページに合わせて記事のレコメンドを行うものが多くなっています。そうすると自分の意見に近い記事がより多く目に入ることになり、皆そう思っているんだというように感じたり視野が狭くなってしまう可能性があるということが指摘されていました。自分自身の業務内容がこの指摘とは無関係ではないため、強く意識しておく必要があるなと感じています。

効率的な読書には「本を仕分ける」ことが重要

佐藤さんが本を仕分けるという表現したのに対して、池上さんは「その本との向き合い方を決めておく」と表現していましたが、要は効率的に本を読んでいくためには、全部きっちり読んでいたらそれは効率が悪いよねということです。しっかり読むべき基本となる本は何度も読んだり熟読すべきだし、そうではない本は速読をすれば良い。重要なのはそれを見極めてまず仕分けること。ただどうやってそれを見極められるかというと経験値が必要なように感じました。当たり前ですが一朝一夕で身につくものではないので、多くの本との接触点はもっと作りたいなと思いました。

読書には「ネット断ち」と「酒断ち」が重要

特に酒断ちについては実感していたところなので、ですよねーという感じです。今年の目標にします。

世の中を「理解する」には書籍がベース。いい基本書を熟読し、基礎知識を身につける

なんとなく本を読もうと思っていたところに一本筋を通してもらった感じがします。新聞は世の中を「知る」ために必要だが、理解するためには書籍が必要。特に基本書で基礎を身につけることが重要。非常に納得感があります。

まとめ

全体を通して非常にためになる内容が満載でした。良書やサイトも多数紹介されていたので何度も読み返したい濃い本だと思います。
余談ですが対談本ってなんとなく「そうだよね、わかるわかる」みたいな感じで内容が薄いという偏見があったんですが、完全に認識が変わりました。

満足度: ★★★★★